ロンドン北部のフェルメール作品が見れる美術館「ケンウッド・ハウス」
イギリスで見れるフェルメールの作品
2018年11月に50オーバーにして初めての一人旅(ロンドン2週間の短期留学&サルデーニャ島1週間の旅)へ行ってきました。
その時に立てたスケジュールの中でどうしても行きたかった美術館の一つが「ケンウッド・ハウス」です。
1999年!に初めてフェルメールの「手紙を書く女」を見て虜になって以来、日本での特別展やドイツ、オーストリア、オランダ旅行で見た作品は18点。
作品数が35点ほどですので大体半分は見たことになるでしょうか。
イギリスには5点のフェルメールの作品があり、ロンドンではそのうち4点を見ることが出来ます。
「ヴァージナルの前に立つ女」と「ヴァージナルの前に座る女」はナショナル・ギャラリーに、「音楽のレッスン」はバッキンガム宮殿の英国王室コレクションに、そして「ギターを弾く女」はこのケンウッド・ハウスにあります。
一番見るのが難しいのがバッキンガム宮殿にある「音楽のレッスン」。
しかし、夏の一般公開日には見ることができるそうですので、入館料はちょっとお高めですが宮殿内部も見学できますし夏にロンドンに行かれる予定のある方は行かれてみてはいかがでしょうか。(ただし、展示されていないときもあるようですので行かれる方はバッキンガム宮殿オフィシャルサイト(英文)をチェックしてください。)
11月の渡英だったのでバッキンガム宮殿はあきらめるにしてもフェルメール作品を見尽くしたいと切望する身としては、ロンドンへ行くのにナショナル・ギャラリーとケンウッド・ハウスは外すわけにはいきませんでした。
ハムステッドヒース公園の北側に位置する見晴らしのいい美術館
ケンウッド・ハウスはロンドンの中心部からは少し離れていますが、広大なハムステッドヒース公園の北側に立つ自然に囲まれた清々しい環境の美術館です。
美術館へ行った続きに公園をお散歩したり、サンドイッチや飲み物を買ってピクニックを楽しんだり、近くのカフェでゆっくりしたりするのもいいかもしれません。
ちなみにこの日の私の立てた予定は開館に合わせてケンウッド・ハウスに到着、午前中は館内やお庭を散策、午後からはロンドン中心部に戻り2時半からの「オペラ座の怪人」に間に合うようにハー・マジェスティーシアターを目指す、でした。
ケンウッド・ハウスへは210番かH3番のバスを利用
ケンウッド・ハウスは210番またはH3番のバスに乗り「Kenwood House」で降ります。
Tubeから乗り換えるには、Northern lineの「Golders Green」駅、または「Archway」駅から210番のバスに乗ります。
私の場合はこの時、ホームステイ先から出発したので最寄りのバス停「Dudden Hill Lane」から182番の「Bent Cross」行きに乗り「Bent Cross Shopping Center」で210番の「Finsbury Park」行きに乗り換えました。
とあたかもスムーズに行ったように書いてますが、182番のバスに乗る時に反対方向に乗ってしまいました💦
こんなときにも頼りになるのがスマホの乗換案内アプリ「Citymapper」。
このアプリはロンドン滞在中にとってもお世話になりました。Tubeやバスでの移動を考えておられる方はぜひダウンロードしておくことをオススメいたします。
私は極度の方向音痴なのですがこのアプリのおかげで何度も助けられました。
飛び乗ったバスの中でCitymapperの画面を見ていると目的地からどんどん離れていくのがわかり大慌て。
次の駅に着いた途端に急いで降車し反対側のバス停まで広い道路を走って渡りました。
幸いにもすぐに反対側のバスに乗れ、無事乗り換え地点の「Brent Cross Shopping Centre」に到着。
大きなショッピングセンターの前にはたくさんのロンドンバスが集結していました。
ここでの乗り換えもスムーズにできて予定通り10時にケンウッド・ハウスに到着しました。
この入口から道伝いに公園の端を通りながらケンウッド・ハウスへ向かいます。
建物より先に併設のカフェが見えてきますがここには犬の散歩に来られている地元の方々もたくさん集われていました。
小高い丘の上に立つ美術館の周りは空気もきれいで清々しく気持ちの落ち着く場所でした。
時間があれば公園を横切って少しお散歩もしてみたかったです。
太陽に照らされた建物の外観はとても美しいのでぜひお天気のいい午前中にお出かけになることをおすすめします。
説明も丁寧な館内の年配スタッフさん達
草のトンネルを抜けたところに入り口があります。秘密の花園のようですね💘
建物に沿って右手に曲がると入り口が見えてきます。
玄関のテーブルの前には年配のスタッフさんが2人立っていてこちらを眺めています。
他に受付らしきところもなくどう進んでいいのか戸惑い二人を代わる代わる見つめていると一人が「ここがどんな場所かご存知ですか?」と聞いてきました。
どう答えていいものやら困りましたが「フェルメールの絵を見に来ました」と返事をしたところその返事が正解だったのか😂笑顔になってフェルメールの絵の場所をおしえてくれました。
この美術館も入場無料です。
イギリスは多くの美術館が無料で鑑賞できますので、絵画好きにはたまりません。募金箱のようなものが置いてあって寄付を募られています。
フェルメールの絵の部屋にいくまでにもいくつか展示室がありますのでそちらから見ていくのですが、部屋ごとにボランティアらしき年配のガイドさんが待機していて、部屋の説明や絵画の説明を丁寧にしてくれます。
この日は空いていたためか入る部屋入る部屋で「何か聞いて」「説明させて」という瞳で微笑みながら話しかけてくるガイドさん達に次々ロックオンされました😂
皆さんとても素敵な笑顔でやさしく丁寧に話してくださったので、なんとか英語も聞き取ることができました。
英語学習を兼ねた旅でしたのでガイドさんの話すことの聞き取りやこちらからも質問して話す練習にもなったうえ絵画や建物のことなども知ることが出来ていい時間を過ごせました。
が、2回目以上の来館やゆっくりと見たい人にとってはそっとしておいてと思われるかもしれません。
ギネスビールの初代会長が寄贈したケンウッド・ハウス
ガイドさんから聞いたところこの建物はギネスビールの初代会長エドワード・ギネスさんが購入、彼の死後美術に造詣の深かった彼のコレクションと共に建物ごと寄贈されたそうです。
ブレックファーストルームと呼ばれる部屋にギネスさんの絵(EDWARD CECIL GUINNESS, 1ST EARL OF IVEAGH-画家:HENRY MARRIOTT PAGET)も飾られていましたがなかなかの男前です。
ケンウッド・ハウスの目玉の一つ「図書館」
部屋の中に入った瞬間にその素晴らしさに思わず顔がほころぶのは「図書館」です。童話の世界に入り込んだかのようなパステル調の天井や壁とウェッジウッドの食器を彷彿とさせるような繊細で可憐な装飾にしばし言葉を失います。
よほど嬉しい顔をしていたのでしょうか、一通り見渡した後館内の若いスタッフさんと目が合った時に「僕も初めてこの場所を見た時はあなたと同じ表情をしていましたよ」と微笑まれました。
図書館というだけあって壁にはたくさんの古い本が並んでいますがお客様をおもてなしするサロンも兼ねていたようです。
ここだけでなくあちこちの椅子の上には写真のようなドライフラワーが2つクロスさせて置かれていますが、どうしてだかわかりますか?
不思議に思ったので聞いてみましたら、「ここに座らないでください」という意味だそうです。文字の注意書きにすると部屋の雰囲気のじゃまになるのでこの花を置くことで自然に座らないようにしているそうです。
確かにアチラコチラに椅子がありますのでなにもないと座ってしまいそうです。
フェルメール「ギターを引く女」
さぁいよいよフェルメールの部屋です。落ち着いた雰囲気のダイニングルームでくつろぐかのようにしっくりと馴染んだフェルメールの「The guiter player(ギターを引く女)」。
近くから、少し離れてといつまでも見ていたい気分です。この部屋には晩年のレンブラントの自画像も展示されています。
小さい館内なのにやはり迷ってしまった私は、あっちへウロウロ、こっちへウロウロ、見かねたガイドのおじいさんに「迷てるんか?」と声をかけられわらわれる始末💦
2度もこのおじいさんに道を案内してもらいましたが、多分どなたが行かれてもそんなに迷われることはないと思います😂。
ちなみにそのおじいさんには下の画像の部屋を案内してもらいました
他にも、昔の車椅子や時計、オイルランプを照明に作り直したものなど、天井を見上げたり丁寧に時を刻む時計の音に耳を済ましたりと絵画以外にも見どころがあります。
やっと迷宮から出たところで😂次の予定までまだ少し時間があったので併設のThe Brew House Caféでケーキとコーヒーを買い外のお庭のテーブルでゆっくりしました。
11月の時期では小さなバラがぽつん、ぽつんと咲くくらいでしたが、花のたくさん咲く季節にはとてもきれいだろうと思います。
少し中心部からは離れているのでなかなか旅のプランに組み込みにくい場所ですが、機会があればぜひ一度行かれてみてはいかがでしょうか。
ケンウッド・ハウスの基本情報
・開館時間:毎日午前10時~午後4時(入場は閉館30分前まで)※開館時間が少し短いのでご注意ください
・入場無料
・アクセス:
■地下鉄、鉄道を利用の場合
Golders Green(Tube:Northern line)→Kenwood house(bus:210)
Archway(Tube:Northern line)→Kenwood house(bus:210)
Hampstead Heath(Overground)
Gospel Oak(Overground)
■バスを利用する場合
Kenwood house(bus:210, H3)