かたさや食べやすさをわかりやすい区分で表示、ユニバーサルデザインフードの食べやすいレトルト食品
我が家は80歳を超えた両親とkaeru(55歳)の3人で暮らしています。
今日は10年ほど前からパーキンソン症候群の一つ、進行性核上性麻痺を患い、最近食事時によくむせるようになった父が食べやすいようにと探したレトルト食品をご紹介したいと思います。
ちなみに進行性核上性麻痺とは、以下の様な症状です。
脳の中の大脳 基底核 、脳幹、小脳といった部位の神経細胞が減少し、転びやすくなったり、下方を見ることがしにくい、しゃべりにくい、飲み込みにくいといった症状がみられる疾患です。初期にパーキンソン病とよく似た動作緩慢や歩行障害などがみられて区別がつきにくいこともありますが、パーキンソン病治療薬があまり効かず、効いた場合も一時的のことが多く、経過がより早く進む傾向があります。
難病情報センター「進行性核上性麻痺(指定難病5)より
幸い父の場合はこの病気にしては進行がゆっくり進んでくれていました。
しかし、昨年初めからのコロナ蔓延により、最初の緊急事態宣言中、デイサービスもお休みしていたら一気に病状が前進してしまった様で、、。
家ではほとんど朝晩関係なく延々とベッドで眠る日々が続く様になり、動作ももちろんなのですが、食事の面でも問題がでてきました。
入れ歯の問題点
- 入れ歯で味がわかりにくい。
- 葉物野菜などは、噛み切りにくく入れ歯との間に挟まりやすい。
- ご飯粒や素麺など粒状や細長いもの、つるつるしたものは噛みにくい。
病状の進行による問題点
- 嚥下がうまくいかないのか、むせることが多くなった。
ご飯は食べれてもパンが食べにくいという方も多い様ですが、父の場合はパンの種類によっては食べやすいようで、朝食や昼食にもパンを牛乳やヨーグルトで水分を含ませて食べています。
菓子パンばかりだと栄養面が気になるけれど、、。
せめて夜だけでもと食べれそうなおかずを小分けにして小鉢にすこしずつ入れるのですが、一口食べて「ちょっと食べれない。」と言って突き返されてしまいます。
少しでも食べやすい様に小さく切ったり魚などはほぐしたりしているのですが、多分食べにくさもありますが一番には「味」なのかなと思います。
入れ歯で味覚がわかりにくくなったために普通の味付けでは味がわかりにくくなってしまったのかと思います。
菓子パンばかり食べるのも「ジャム」「クリーム」などとわかりやすい味だからなのでしょう。
かといって味付けを変えたり別に作るのも面倒、、、💦
母も私も料理が苦手で一度に何食も作れる手際もありません。
慣れと言われればそれまでですが、、
ユニバーサルデザインフードは、かたさや食べやすさの区分に分かれているので選びやすいです
ある日、母と二人でスーパーへ行った時、レジが終わって袋に詰めていたときに母が見つけたのがキューピーのユニバーサルデザインフード「やさしい献立」のレトルト食品のポスターでした。
もうレジが終わっていたのですが、買った食材をエコバッグに詰めてからまた、売り場まで見にいきました。
ユニバーサルデザインフードというのは、「かたさ」や「粘度」に応じて、日本介護食品協議会によって4段階に区分された食品です。
「ユニバーサルデザインフード」とは、日常の食事から介護食まで幅広くお使いいただける、食べやすさに配慮した食品です。その種類も様々で、レトルト食品や冷凍食品などの調理加工食品をはじめ、飲み物やお食事にとろみをつける「とろみ調整食品」などがあります。
日本介護食品協議会 「ユニバーサルデザインフードとは」より
目安 | 容易にかめる | 歯茎でつぶせる | 舌でつぶせる | かまなくてよい |
---|---|---|---|---|
かむ 力の目安 | かたいものや大きいものはやや食べづらい | かたいものや大きいものは食べづらい | 細かくてやわらかければ食べられる | 固形物は小さくても食べづらい |
飲み込む 力の目安 | 普通に飲み込める | ものによっては飲み込みづらいことがある | 水やお茶が飲み込みづらいことがある | 水やお茶が飲み込みづらい |
かたさ の目安 | 【ごはん】 ごはん〜やわらかごはん 【さかな】 焼き魚 【たまご】 厚焼き卵 | 【ごはん】 やわらかごはん〜全がゆ 【さかな】 煮魚 【たまご】 だし巻き卵 | 【ごはん】 全がゆ 【さかな】 魚のほぐし煮(とろみあんかけ) 【たまご】 スクランブルエッグ | 【ごはん】 ペーストがゆ 【さかな】 白身魚のうらごし 【たまご】 柔らかい茶碗蒸し(具なし) |
この基準にのっとった食品にはユニバーサルデザインフードのロゴが印刷されているので、購入の際の参考になるかと思います。
ネットだけでなく薬局やスーパーでも購入できます
近所のスーパーの1店では、キューピーのラインナップが充実していましたが、取り扱いをしていないスーパーもありました。
薬局の方が取り扱いされている確率が高いと思います。
父の場合はまだ、卵焼きなどは食べれていますのでおためしに、「容易にかめる」の肉じゃがと「歯茎でつぶせる」のすき焼きを選んで購入してみました。
その後に行った薬局ではアサヒグループホールディングスのレトルト食品がずらりと並んでいました。
食べ心地さえ問題なければ、あとは味の好みや飽きが来ない様にいろいろ試してみるのもいいかと思います。
ただ、お料理の種類が結構似ているような、、。
ハンバーグ、肉じゃが、クリームソースなど、万人受けするには、ラインナップも似てくるのでしょうね。
近所で買えるならお試しに買って、気に入ったらネットでまとめ買いもいいかもしれません。
アサヒのラインナップには「なだ万監修」の味にこだわったシリーズも出ています。
こちらは「舌でつぶせる」「かまなくていい」の区分だけのようですが、デザートもあるので「小さな贅沢日」に一品加えると喜んでくれるかなぁと思います。
父、喜ぶ。母と私の気持ちも楽になる♪
今まで父が食べたものは、キューピーの容易にかめる「ホタテのマカロニグラタン」、「鶏だんごの野菜煮込み」、「肉じゃが」、歯茎でつぶせる「すき焼き」、「けんちんうどん」。
アサヒの容易にかめる「デミグラスソースハンバーグ」、歯茎でつぶせる「やわらかごはん 鮭と根菜の釜飯風」、「やわらかごはん 親子丼風」です。
夕食時にこれと副菜を出すようになってからはほとんど残さずに食べてくれていましたので少し安心しました。
が、先日出してみたアサヒの容易にかめる「デミグラスハンバーグ」は固まりが大きかったせいか「これはちょっと食べにくいから次からはいらない」と言われました。
味は美味しかったそうです。
入れ歯をはずしたまま食べる方が味がわかりやすいようなら、舌でつぶせたりかまなくていい区分のスープのようなものも追加してみてもいいかなと思っています。
父にとっても食べれるものが増えたので良かったですが、母や私もこれを出すようになってからは、とても気持ちが楽になりました。
もしかしたら、何を作るにしても「これだと大きすぎるかな?これだと硬すぎるかな?これだと、、、、?これだと、、、?」と毎回考えるうちに気分的に疲れてしまっていたのかもしれません。
大したものを作っているわけではありませんでしたが、メインのおかずを気にしなくて良くな理、母と二人だから「これでいいよね😂」的なテキトー料理の日もできたのが息抜きになってよかったです。
こちらの味や柔らかさを確認できたことで、一緒に食べれそうなものを作るときの、参考にもなりました。
これからは生活の中で、だんだんできなくなってくることが増えてくるのは、当事者も見ている方も辛いことだろうと想像しています。
私は今55歳ですが、同年代の友人たちとの会話も自身の病気か親の介護のことが多くなってきました。
ともすれば出来合いのものやレトルト食品を使うことで、手抜きをしている罪悪感を感じがちです。
しかし、よくよく振り返ってみると若い頃から今まで、自分のことはもちろん、周りのこともそんなにきっちりと丁寧に生活してきたわけではありません。
介護とはいえ、日々の生活の一部ですので、このことだけに神経質にならないで良いのかなと思います。
手を抜けるところは抜いてお互いに挫けてしまわないように細く長く続けていける道を探していきたいと思います。